ヒップホップダンスを基本から学んで、27日間でプロ並みに上達する方法。

ダンスにまつわるエピソード(その18)

(※とある男性の手記です)

 

フラれた。見事に。

 

相手は、5年付き合っていた女性。当然、結婚も考えていた。大好きだった。愛していた。「大好き」と「愛している」の違いは、よく分からないけれど。

 

それでも、フラれた。「価値観の相違」などという、昔から使い古されて、この手の理由としては恥ずかしいくらいにオーソドックスで、もはや聞き飽きて反吐が出るくらいの言葉を、一番の理由として主張されたことが、僕のショックを倍増させた。「他に好きな人が出来た」とでも言われたほうが、まだよっぽどマシだった。

 

もちろん喧嘩もした。何度もした。それでも、分かり合えていると思っていた。仲直りするたびに、前より仲良くなっているものと感じていた。

 

それでも、フラれた。「あなたは家庭を持つタイプじゃない」などという、百も承知、昔から自分自身分かりきっていることを改めて言われたことも、僕の心にナイフを突きつけた。それを知ってて付き合ってたんじゃないのかと、とことん問い詰めたくなった。実際は、もはやそんな気力すらなかったんだけど。

 

そして、打ちひしがれる僕に、周りの人間が気を遣ってくれるのが、なんだかとてもイヤだった。実際、どんな言葉をかけられようが、何をされようが、その時の僕に、効き目は無かった。

 

ただ一つ、ダンスしかないと思った。ヒップホップ仲間と一緒に、踊りまくるしかないと思った。それだけが、僕の荒んだ心を、癒してくれるに違いないと思った。それがたとえ一時(いっとき)のことであっても。

 

僕は踊った。狂ったように踊った。疲れて、手や足の筋肉も、心臓も、限界に近かったけど、それでもまだ踊り続けた。

 

踊りながら、涙が出た。止まらなかった。それを見られるのは恥ずかしかったが、目の合った仲間の微笑みは、遠慮なく泣けと言ってくれているようだった。

 

僕は、人目もはばからず、泣いた。ヒップホップダンスをしながら、泣き続けた。

 

それから。

 

まだショックは完全には癒えていないけど、いつまでも未練がましく考えていても仕方ないし、とにかく早く次の恋を見つけたいと思えるようにはなった。ただ、失敗というか、予想外だったのは、あの日、ああやって泣きながら踊ることで、ヒップホップダンスと失恋が完全に結びついてしまったということ。

 

踊るたびに、あーそういえばあの時、ショックで泣きながら踊りまくったよなぁって、あの日のことをどうしても思い出してしまうのです(泣)。

 

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